草履のアレコレ・ポイント

<草履で足が痛くならないようにするために>

見た目の流麗さとは別に 皮の細い分だけ負荷がかかります。坪の部分をペンチなどでほぐしますと少し柔軟化し改善されます。

(通常の細い鼻緒は草履専門店で扱いが多く、太い鼻緒は近年で着物ビギナー向けで作られたものからきています。)

本革の特徴でもありますが最初はどうしても足に馴染んでいないので、そのまま履くと鼻緒が当たり痛くなることがあります。履く前にペンチなどの挟むもので写真のように、あて布を入れて優しく挟んでいきます。

優しく挟むことで鼻緒が少し柔らかくなっていきます。また履いていくことで自分の足の形に馴染んでいくので、段々と履きやすくなっていきます。

 

ポイント

①鼻緒と前坪の間をタオルや布を当てながら、ペンチやハンマーなどで優しく当てるなどしてほぐす。

試し履きと鼻緒ほぐしを何回か繰り返して、ちょうど良い柔らかさになるまで調節してみてください。鼻緒が全体的に盛り上がるようなシルエットになるのが目安です。

➁新品の草履は、少しずつ履き慣らしていくのがポイント

普段草履を履く習慣がない・草履デビューをしたばかりという場合には、すぐに長時間のお出かけで履いていかない方が無難です。

鼻緒をほぐしたら、家の中で試しに歩いてみてください。また近所へ散歩や買い物に出かけて、履き続ける・歩き続ける時間を少しずつ伸ばしていくなど事前に慣らしておくと安心です。

③慣れないうちは、足に負担がかからないような履き方・歩き方も意識してみましょう。

草履を履いている時、もっとも摩擦が起きやすい上に肌の表面も柔らかい部分です。鼻緒が足の指の間にぐいぐいと食い込むと痛いので、なるべく力を加えないような歩き方を心がけるのも対処法の一つです。

④鼻緒と肌が触れる部分を保護する

それでも痛い・履き慣れない場合、ずれがちな部分を保護するなど工夫してみましょう。特に痛くなりがちな鼻緒部分なら、以下の方法が手軽で効果的です。

【ばんそうこうやガーゼなどで保護する】

鼻緒が当たる親指・人差し指の間にばんそうこうを貼る、もしくガーゼを当てます。こうすることで肌を摩擦から守ることができるのです。

歩いていると剥がれてしまうことがあるので、予備として数枚持ち歩いておくのがベター。外出先で剥がれてしまった時も安心です。

【ベビーパウダーで保護する】

肌が弱い人や、足の甲などが痛くなって困っている人は、親指・人差し指の辺りにベビーパウダーをはたいてみるといいでしょう。さらさらのベビーパウダーが肌への摩擦を抑えてくれるので、足の痛みが和らぎます。

【鼻緒を意識すれば足が痛くならない】 

鼻緒が指の間に食い込み過ぎていることも原因として考えられます。「前坪」と呼ばれる縦にすげている部分が、足の指の間に食い込み摩擦が発生します。その結果、指の間を擦られている状態が続いてしまうのです。快適に草履を履くために前坪に食い込まないように気をつけましょう。前坪と指の間は少し離すことを心がけるだけで、鼻緒ずれを防ぐことができます。意識していると少しずつ自分にあった履き方・歩き方がわかってきます。

 

<草履の寸法・各名称>

 

・履き方、調整

草履のサイズは、かかとが草履から1cmほど出ているのが美しい姿と言われています。

あくまで参考になりますが、普段草履を履き慣れなれていない方はかかと丁度くらいか、ほんの少し出るくらいが楽に履いていただけます。

・Sサイズ (22.0cm~22.5cm前後の方)

・Mサイズ (23.0cm~23.5cm前後の方)

・Lサイズ (24.0cm~24.5cm前後の方)

・LLサイズ (25.0cm~25.5cm 前後の方)

調整:草履が少しキツイと感じたら、鼻緒と草履台の間に指を通し、少しずつ引き上げるようにすると馴染みやすくなります。

ご注意:一度伸ばしてしまうと返品ができませんので、かかとのサイズ感が合っているかを確認して

「鼻緒さえきつくなければ、、、」という際に試してみてください。

※サイズはメーカーによって表記が異なる場合がありますのでご注意下さい。

SサイズやLLサイズご希望の方は、問合せフォームよりお問合せ下さい。

 

・保管 (長持ちさせる秘訣)

湿気を避ける
草履収納ケースなどに入れ、換気の良い所で保管します。高温多湿の所は避けてください。また保管場所に乾燥剤を置いておくのも良いです。草履を保管するとき、新聞紙などの印刷物やビニール袋で包まないようにして下さい。
時間が経つと草履に色移りしたり、くっついたりする可能性があります。

防虫剤(樟脳・ナフタリン等)は使用しない。

防虫剤(樟脳・ナフタリン等)や、ゴム製品と一緒に保管しないでください。
(化学反応により変色・変質するおそれがあります)

・型くずれを防ぐ

草履を保管する際、鼻緒がつぶれて型くずれしないよう鼻緒キーパー(草履キーパー)などを使用すると良いでしょう。

・長期間しまっておかない

年に2~3回ほど風通しの良い所で陰干ししてください。
長い間ご使用されなかったり、お手入れをされなかった場合は、草履の素材に「劣化」「剥離」が生じることがありますので注意してください。

 

熟練の職人技による本革のなめし、上質なコルク芯の細工加工、草履に対する細部まで拘ったモノづくり、

超越した技術、本物の質感を感じていただき永くご愛用戴けますと幸いです。